賢者名鑑 / 中国
孫子
そんし(孫武)
紀元前6世紀ごろ — 紀元前5世紀ごろ|斉(現在の中国・山東省周辺)
勝負は、始まる前にほぼ決まっている

どんな人か
世界最古級の兵法書『孫子』を遺した戦略思想家です。春秋時代の呉に仕え、王・闔閭のもとで将軍として活躍したと伝えられます。
特異なのは、その内容です。力による正面衝突を最善とせず、情報と準備によって「戦わずに目的を達する」ことを最上としました。
基本データ
- 生まれ
- 紀元前6世紀ごろ出典3中国・春秋時代。詳細は不明で、孫武の実在や『孫子』の成立過程には諸説ある
- 没
- 紀元前5世紀ごろ出典3詳細は不明
- 生まれた地
- 斉(現在の中国・山東省周辺)出典3
- 氏名
- 孫武(そん ぶ)。尊称して「孫子」出典3
- 分野
- 兵法家・軍事思想家出典3
- 主著
- 『孫子』(孫子の兵法/全十三篇)出典3世界最古級の兵法書。簡潔な文章の中に、戦略・情報・準備・組織運営の本質が凝縮されている
- 仕えた国
- 春秋時代の呉。王・闔閭(こうりょ)のもとで将軍として活躍したと伝えられる出典3呉が強国へ台頭するうえで大きな役割を果たしたとされる
- 日本への影響
- 古代に伝わり、武田信玄の旗印「風林火山」も『孫子』の一節に由来するとされる出典3
- 研究の進展
- 1972年、中国・銀雀山の漢墓から竹簡が出土し、研究が大きく前進した出典3孫武の実在や成立過程は長く議論されてきた
勝負は、始まる前にほぼ決まっている
「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求む」——強い軍は、先に勝ってから戦いを始める。孫子の考え方が、この一文に凝縮されています。
つまり、勝負は始まる前にほぼ決まっている。戦いの最中に逆転する方法ではなく、戦う前に勝てる状態を作る方法が書かれているのです。
そのために必要なのが情報でした。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」。相手を知り、自分を知る。この二つが揃っていれば、危うくならない。
そしてもっとも高い勝ち方として挙げたのが「戦わずして人の兵を屈する」ことでした。戦って勝つのは次善で、戦わずに目的を達するのが最上だと。他の兵法書と決定的に違うのは、この一点です。
だからこの本は、二千五百年を超えていまも読まれています。軍事にとどまらず、経営戦略、スポーツ、交渉術の古典として。日本では武田信玄の旗印「風林火山」も、『孫子』の一節に由来するとされます。
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出典
数字や表記は、記事本体に合わせています。出どころで食い違うものは、両方を併記しました。
