「自分は大したことをしていない」と思う日に――最澄「一隅を照らす」
自分は大したことをしていない――画面の向こうの華やかな成果と比べて、そう感じる日に。「径寸十枚、これ国宝にあらず。一隅を照らす、これすなわち国宝なり」。1200年前、12年間山にこもった青年が遺した言葉。これは「我慢しろ」ではなく、「照らせ」という、極めて能動的な生き方の教えです。
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自分は大したことをしていない――画面の向こうの華やかな成果と比べて、そう感じる日に。「径寸十枚、これ国宝にあらず。一隅を照らす、これすなわち国宝なり」。1200年前、12年間山にこもった青年が遺した言葉。これは「我慢しろ」ではなく、「照らせ」という、極めて能動的な生き方の教えです。
一年やっても、二年やっても成果が出ない。周りの視線が痛い――そんな時期を、どう過ごすか。就任から三年間無冠で「さらばファーギー」と横断幕を掲げられた監督が、その後26年半で38個のタイトルを獲った。叩かれていた三年間、彼がしていたのは"十年後への投資"だった。
上がったと聞けば焦り、下がったと聞けば不安になる。数字を追いかけて心がすり減る――これは株の話だけではない。「市場は、忍耐強くない人から忍耐強い人へお金を移す装置である」。バフェットの最大の武器は、頭脳ではなく時間だった。
何か月も準備して、たった一日で終わる。何も生産しない。それでも日本人は千年以上、祭りを続けてきた――柳田國男の「ハレとケ」。日常(ケ)が続くと生命力は枯れていく。祭り(ハレ)は、それを回復させる装置だった。休むことは、サボりではない。
「あの人は環境に恵まれていたから」――でも、歴史に名を刻んだ5人を並べると逆の事実が見えてくる。松下・嘉納・フランクリン・豊田・ジェイコブズ。全員が「持たざる者」から始まり、全員が地味な積み重ねだけで成し遂げていた。
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