和育道〜wa-iku〜

賢者名鑑 / 中国

范仲淹

はん ちゅうえん

989年 — 1052年|中国(北宋)

先憂後楽 ── リーダーは、いちばん最後に報われる

范仲淹の記事の挿絵
岳陽楼。この楼閣の記に、リーダーの理想が記された(挿絵:和育道)

どんな人か

北宋の政治家・軍人・文人です。財政・軍事・教育など幅広い改革(慶暦の改革)に取り組み、西夏との国境防衛でも功績を挙げました。

名文「岳陽楼記」に記した「先憂後楽」——天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ——は、リーダーの理想を示す言葉として東アジアに広く知られています。

基本データ

生まれ
989年出典3中国・北宋時代。字は希文(きぶん)
没
1052年出典3
生まれた地
中国(北宋)出典3
氏名
范仲淹(はん ちゅうえん)。字は希文(きぶん)出典3
分野
政治家・軍人・文人出典3
生い立ち
幼くして父を亡くし、貧しい環境で育った出典3粥を固めて分けて食べながら猛勉強したという逸話が伝わるほどの苦学の末、科挙に合格して官僚となった
改革
財政・軍事・教育など幅広い改革(慶暦の改革)に取り組んだ出典3西夏との国境防衛でも功績を挙げている
義荘
自らの俸給で一族や貧民を救済する互助制度を創設した出典3権力を得ても私腹を肥やさなかった
日本への影響
岡山・水戸の「後楽園」の名も「先憂後楽」に由来するとされる出典3

リーダーは、いちばん最後に報われる

幼くして父を亡くし、貧しい環境で育ちました。粥を固めて分けて食べながら猛勉強したという逸話が伝わるほどの苦学の末、科挙に合格して官僚になります。

その彼が遺したのが「先憂後楽」です。みんなより先に憂い、みんなの後に楽しむ。それがリーダーというものだ、と。

順番の話です。心配ごとは真っ先に引き受け、喜びは最後に受け取る。いちばん働いて、いちばん遅く報われる立場——それを理想として掲げました。

そして彼は、言葉だけの人ではありませんでした。権力を得ても私腹を肥やさず、自らの俸給で一族や貧民を救済する「義荘」という互助制度を創設しています。清貧の生き方そのもので、自分の言葉を証明しました。

日本の岡山・水戸にある「後楽園」の名も、この「先憂後楽」に由来するとされます。千年前の中国の政治家が掲げた理想が、いまも日本の庭園の名として残っているのです。

この人の言葉

先憂後楽出典3天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ。名文「岳陽楼記」の一節で、リーダーの理想を示す言葉として東アジアに広く知られる

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出典

  1. ウィキペディア「范仲淹」
  2. 和育道「范仲淹「先憂後楽」――リーダーは、いちばん最後に報われる」(記事本文の表記に準拠)

数字や表記は、記事本体に合わせています。出どころで食い違うものは、両方を併記しました。